ISBNコードが見当たらない本に出会うと、
「これって正規の本?」「検索できないの?」
と一気に不安になります。
結論から言うと、ISBNがなくても本は存在します。
ただし、流通や検索、引用の場面で困りやすいのも事実です。
本記事では、ISBNが付かない代表的な理由を整理し、
国立国会図書館の検索サービスや奥付の見方を使った特定手順、
必要なら取得する方法まで、実務で迷わない形にまとめます。
isbnコード ない本とは?まず知っておきたい基本

ISBNがない本は珍しくありません。
とくに同人誌や非売品の冊子、古い本ではよく起こります。
まずは「ISBNがない=ダメ」ではなく、「どの場面で困るか」を把握すると判断が早くなります。
結論:ISBNがなくても本は存在する(困る場面だけ把握)
ISBNは本の身分証のように扱われますが、付いていない本も流通しています。たとえばイベント頒布の同人誌、社内配布の報告書、自治体の冊子、古い年代の本などです。
困りやすいのは、書店や取次での発注、在庫管理、検索性、参考文献の統一など「外部とやりとりする場面」です。身内配布や限定頒布なら、ISBNなしでも運用できます。
ISBNの役割:識別・流通・在庫管理で何が便利になる?
ISBNがあると、同名タイトルの取り違えが減り、発注や返品などの実務がスムーズになります。書店・取次・図書館・データベースで共通のキーとして機能し、検索の精度も上がります。
とくにタイトルが短い本や改訂版がある本ほど効果が大きいです。逆にISBNがないと、著者名や出版社名、刊行年、版の情報までセットで確認する必要が出てきます。
ISBNは義務?法律上の扱いと「付けない自由」
ISBNは国際規格の識別子ですが、法律で使用が義務付けられているものではありません。つまり、ISBNを付けない選択もできます。
ただし、販路(書店流通、取次、通販サイト)によっては実務上ほぼ必須になることがあります。販売を想定する場合は、事前に「その販路で何が必要か」を確認しておくと二度手間を避けられます。
ISBNと書籍JANコード・日本図書コードの違いを整理
ISBNは識別子、書籍JANコードはバーコード運用のための表現、そして日本図書コードは日本独自の表記体系として扱われます。混同すると手続きや印刷仕様で詰まりがちです。
ざっくりの使い分けは次の通りです。
| 項目 | 主な用途 | 見つかる場所 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| ISBN | 本の識別 | 奥付・裏表紙 | 書店流通、図書館、書誌DB |
| 書籍JANコード | バーコード運用 | 裏表紙のバーコード | POS、発注、店頭管理 |
| 日本図書コード | 分類・価格など | 奥付周辺の表記 | 国内流通の補助情報 |
ISBNの有無を確認する場所(裏表紙・奥付・バーコード)
まず裏表紙のバーコード付近を見ます。ISBN-13の「978」から始まる13桁が代表的で、ISBN表記と一緒に印字されることが多いです。見当たらなければ奥付(最終ページ付近)を確認します。
奥付にはタイトル、著者、発行者、発行日、印刷所、版・刷などがまとまっており、ISBNがあるならここに書かれていることが多いです。
ISBNが見当たらない時に確認すべき情報(版・刷・発行者)
ISBNがない本を特定する鍵は「同定できる要素を増やすこと」です。
最低限、次の情報を押さえると検索や問い合わせが通りやすくなります。
- 正確な書名(副題、シリーズ名、巻次も含む)
- 著者名(表記ゆれに注意)
- 発行者(出版社・団体・個人サークル名)
- 発行日、版・刷、判型、ページ数
- 頒布イベント名や通販名(同人誌の場合)
これだけ揃うと、ISBNがなくても書誌情報として十分に戦えます。
ISBNがないと困りやすいこと(書店流通・検索性・発注)
困りやすいのは「相手のシステムがISBN前提」の場面です。書店発注や取次、在庫管理ではコード入力が基本になり、ISBNがないと手作業が増えます。
また検索では、同名タイトルや改訂版が混ざりやすく、誤購入や誤引用のリスクが上がります。逆に、限定頒布や直販中心なら、ISBNなしでも運用は可能です。
ISBNが付かない主な理由:同人誌・自費出版・非売品・古書
ISBNがない本にはパターンがあります。理由を知ると「探す」「取得する」「別の識別子で運用する」の判断がしやすくなります。ここでは代表例を押さえ、あなたの本がどれに当てはまるかを確認していきます。
自費出版・同人誌がISBNを付けない/付けられないケース
同人誌や小部数の自費出版は、イベント頒布や直販のみで完結することが多く、ISBN取得のコストや手間を省くため付けないことがあります。改訂を頻繁に行う場合も、版ごとに管理が煩雑になるため避けられがちです。また、制作スケジュールが短いと、申請や印刷の段取り上、間に合わず「今回は付けない」判断になることもあります。
非売品(社内資料・報告書・自治体冊子)と納本の考え方
社内配布の報告書、研究会の資料、自治体の広報冊子などは、販売を目的としないためISBNが付かないことが多いです。ただし、資料の性質によっては図書館で所蔵され、書誌として検索できる場合があります。公的な冊子はタイトルや発行主体で追えることが多いので、発行元の公式サイトや問い合わせ窓口で確認すると早いです。
古い本・再装丁・海外版でISBNが欠ける/見つからないケース
ISBN制度が普及する前の年代の本は、そもそもISBNが存在しないことがあります。また、古書でカバーが欠けていたり、再装丁で裏表紙のバーコードが失われたりすると「見当たらない」状態になります。海外版はISBNがあっても表記位置や形式が違うことがあり、奥付の表記を丁寧に追うのが近道です。復刻版・オンデマンド再版は版の違いで混同しやすいので、発行日と版情報が重要になります。
ISBNなしの本を探す・特定する方法(図書館・書誌DB・通販)
ISBNがない本を探すときは、検索キーを「タイトル一発」に頼らないのがコツです。国立国会図書館の検索、出版社情報、奥付情報を組み合わせると精度が上がります。ここでは再現性の高い手順に落とし込みます。
NDLサーチでタイトル・著者・出版者から絞る手順
まずは国立国会図書館の検索サービスで、タイトルだけでなく著者・出版者も一緒に入れて絞り込みます。ヒットしない場合は、表記ゆれ(旧字体、記号、カタカナ英語)を疑い、キーワードを短くして再検索します。出版年が不確かなときは条件を外し、代わりに出版社名やシリーズ名を足すと当たりやすいです。検索結果では版や巻次が分かれるので、発行日とページ数で同一資料か確認します。
出版者・イベント・通販の情報で補完する(奥付が鍵)
同人誌や小冊子は、サークル告知、イベントの頒布情報、通販ページに奥付相当の情報が載ることがあります。探すときは「書名+サークル名」「書名+イベント名」「著者名+頒布」など複合ワードが有効です。奥付が画像で掲載されていれば、発行日や発行者名、印刷所の情報まで拾えることがあり、検索精度が一気に上がります。電子版がある場合は、販売ページに識別子が別途付与されるケースもあります。
図書館や出版社へ問い合わせる時に伝えるべき項目テンプレ
問い合わせは、相手が特定できる情報を短く渡すほど成功率が上がります。最低限は次のセットです。
- 書名(副題、巻次、シリーズ名)
- 著者名(表記どおり)
- 発行者(出版社・団体・サークル)
- おおよその発行年、版・刷の有無
- 形状(判型、ページ数、表紙の特徴)
- 入手経路(古書店名、イベント名、通販名)
可能なら裏表紙・奥付の写真を添えると、確認が格段に早くなります。
ISBNなしで販売・流通する場合の選択肢(取得・代替コード)
ISBNを付けるかどうかは、目的次第です。書店流通に乗せたいのか、直販中心なのか、電子のみなのかで最適解が変わります。ここでは「取得する」ルートと「代替で運用する」ルートを整理し、判断材料をそろえます。
日本図書コード管理センターでISBNを取得する流れと注意点
日本国内でISBNを扱う窓口として、申請手続きや利用の手引きが公開されています。ISBNは単なる商品コードではなく、利用条件や運用ルールがあります。販売目的の場合は、流通先に必要な識別子を確認してから申請するのが安全です。申請後は、奥付への表記、裏表紙へのバーコード表示など、印刷面での対応が必要になります。制作スケジュールに余裕を持ち、版の管理ルール(改訂時の扱い)も事前に決めると事故が減ります。
書籍JANだけ/ASIN/ISSNなど代替識別子の使い分け
販路や媒体により、ISBN以外の識別子が中心になることがあります。雑誌や継続資料ならISSNが使われることがありますし、通販プラットフォームでは独自の管理番号が主役になる場合もあります。目安としては次の考え方です。
- 書店流通や図書館での汎用性を重視:ISBNを検討
- 店頭POSや流通の読み取り重視:書籍JANの要件を確認
- 雑誌・定期刊行物・継続資料:ISSNの適用可否を確認
- 特定プラットフォーム中心:その平台の管理番号で運用も現実的
どれを使うにせよ、外部が参照できる書誌情報(奥付相当)を整備しておくのが共通の近道です。
電子書籍・オンデマンド出版での注意点(販路ごとの要件)
電子書籍は、価格表示や流通の仕方が紙と違うため、紙の常識をそのまま当てはめると混乱します。オンデマンド出版は改訂がしやすい反面、版の差分が増えやすく、識別の運用が重要です。販路ごとに「ISBNが必須か」「独自IDで足りるか」「書誌データの入力項目は何か」を確認し、必要に応じて紙版と電子版で識別子と奥付情報を分けて管理すると、後から困りにくくなります。
トラブル回避:引用・レポート・取引での書誌と実務チェック
ISBNがない本で一番困りやすいのは、あとで検証できない形で情報が散ることです。引用や取引では「第三者が同じ資料にたどり着ける」状態が重要になります。ここでは、最低限の書誌セットと、実務のチェック項目をまとめます。
引用・参考文献にISBNがない場合の書き方(最低限セット)
ISBNがない場合は、代わりに書誌要素を厚めに書きます。最低限は「著者名、書名(副題含む)、発行者、発行年、版、ページ、入手先」です。同人誌や配布資料なら「頒布イベント名、頒布年、サークル名」を追加します。ウェブ上で入手した場合は、閲覧日も添えると再現性が上がります。ISBNがないこと自体は問題ではなく、第三者が特定できる情報が揃っているかが評価ポイントになります。
同人誌・小冊子の権利確認と連絡先の探し方(奥付・告知)
再配布や転載が絡むと、権利確認が必要になります。ISBNがない本ほど、権利者情報が奥付や告知ページに集約される傾向があります。まず奥付の発行者名、連絡先、発行日を確認し、次にサークルの告知(SNS、イベント告知、通販ページ)を辿ります。連絡先が更新されている可能性もあるため、最新の告知を確認し、問い合わせ文には「入手経路」「利用目的」「該当箇所」を具体的に書くと往復が減ります。
書店・取次・図書館に出す前のチェックリスト(実務用)
流通や所蔵を意識するなら、事前チェックで詰まりを潰せます。
- 奥付に、書名・著者・発行者・発行日・版情報が揃っている
- 裏表紙に、必要な場合はバーコードや価格表示がある
- 同名タイトルがある場合に備え、副題やシリーズ情報が明確
- 版を更新する運用ルール(改訂時に何を変えるか)が決まっている
- 問い合わせ先が現在も有効(メール、フォーム、SNSなど)
このチェックができていれば、ISBNの有無にかかわらず実務は回ります。
まとめ
isbnコード ない本は、同人誌・自費出版・非売品・古書などで珍しくなく、ISBNがないこと自体は問題ではありません。大切なのは、書店流通や検索、引用など「外部とやりとりする場面」で困らないよう、奥付の情報(書名・著者・発行者・発行年・版)を揃え、必要なら国立国会図書館の検索サービスで書誌を確認することです。販売や流通を広げたい場合は、ISBN取得や代替識別子の選択を早めに検討しましょう。まずは手元の本の奥付を確認し、特定に必要な情報を一度書き出すところから始めてください。
参考(一次情報)
- 日本図書コード管理センター(Japan ISBN Agency):ISBNは法的義務ではない旨、取得案内など。
- 国立国会図書館:NDLサーチ(全国書誌データ検索)と検索方法ヘルプ。
- 国立国会図書館:納本制度に関する案内。
- 国立国会図書館:ISSN(逐次刊行物の識別)について。

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